2026-08-16
画像を見る前に、患者さんを診る。
先日、膝の痛みで来院された患者さんがいらっしゃいました。
以前に別の医療機関でMRI検査を受け、「半月板損傷」と診断され、リハビリを続けていたそうです。しかし、なかなか痛みが改善せず、不安を感じて当院を受診されました。
私はまずMRI画像を見る前に、患者さんのお話を伺い、痛みの場所や動きによる変化を確認し、丁寧に触診を行いました。
すると、この患者さんの痛みは、半月板ではなく、膝の内側にある**鷲足(がそく)**という部分の炎症によるものと考えられました。
そこで原因と考えられる部位に注射による治療を行ったところ、約1週間で痛みは改善し、普段どおり生活できるようになりました。
もちろん、この症例だけをもって「半月板損傷ではなかった」と言いたいわけではありません。
MRIで認められた半月板損傷が痛みの原因となっている患者さんはたくさんいらっしゃいますし、MRIは診断に欠かせない大切な検査です。
一方で、画像に写っている異常と、実際に痛みを起こしている原因が一致しないことも、整形外科では決して珍しくありません。
だからこそ大切なのは、画像だけで判断しないこと。
患者さんのお話を聞き、実際に患部に触れ、どの動きで痛みが出るのかを確認し、「この方の痛みは、どこから来ているのか」を丁寧に考えることです。
画像診断はとても重要です。しかし、画像はあくまで診断を支える一つの情報であり、診察に代わるものではありません。
私はこれからも、一人ひとりの患者さんとしっかり向き合い、その方にとって本当に必要な治療をご提案できるよう努めていきたいと思います。
画像を見る前に、患者さんを診る。
これは、私が日々の診療で大切にしている姿勢です。
患者さんに「ここへ来てよかった」と思っていただける診療を、これからも積み重ねていきたいと思います。